工藤 知宏/KUDOH Tomohiro

工藤 知宏 教授

【研究分野】
ユビキタス情報環境分野
【研究領域】
大規模情報処理基盤、IT資源管理
【研究室URL】
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/kudoh/

研究内容

本研究室では、ネットワーク、ストレージ、計算機などの情報システム技術を中心に、これからの社会を支える情報インフラの作り方を、ハードウェアからソフトウェアまで総合的に研究開発します。

ポストムーア時代の計算機システムの研究

ネットワーク、計算機、ストレージなどの情報基盤の性能の向上が現在の情報社会を実現し支えています。これまで、デバイス技術の向上に支えられて18~24か月で計算機の性能が2倍になるという「ムーアの法則」が守られてきました。しかし、デバイスの微細化・省電力化は限界に達しつつあり、「ムーアの法則」に従った性能の向上は望めなくなりつつあります。その一方で、高速な光通信技術や、高速で耐久性のある不揮発メモリ技術等、新しいハードウェア技術が出てきています。本研究では、広域ネットワークで用いられている広帯域光通信技術をデータセンターの中で用いて様々な専用計算装置間でデータを高速に動かすことにより、ムーアの法則が限界に達しても計算機システムの性能を向上させることを目指します。データの流れに着目し、無駄を省いて本質的に必要なデータ処理を高性能に行うシステムを作るために、情報基盤の「作り方」をゼロから考え直し、新しい情報基盤の構築技術を開発していきます。

ネットワーク資源管理技術の研究

従来のインターネットはあらかじめ用意されたネットワークを利用者が使うもので、利用者の要求に応じて短時間でネットワークの構成を変えることはできませんでした。しかし、近年柔軟に構成を変えて利用者が要求する性能を提供するネットワークの研究開発が進んでいます。SDN (Software Defined Network)はその一つですし、光パスネットワークを動的に構成するための研究開発も進んでいます。本研究では、ネットワークを管理可能な資源としてとらえ、利用者の要求をネットワークの構成に効率よく反映させる仕組みを研究開発します。

人工知能向けクラウド技術の研究

最近、人工知能が注目を集めています。人工知能、特に機械学習は、推論と学習という2つの要素から構成されます。機械学習では入力データを分類する処理を行いますが、分類を行うモデルを決定するのが学習、そのモデルに従ってデータを分類するのが推論です。学習では、入力と正解の組を多数用いて正しく分類するモデルを構築していきます。この学習操作は大量のデータと計算を必要とします。また、学習の優劣によって推論の性能が決まるため、学習性能の向上は非常に重要です。本研究では、学習を行うクラウドをどのように構成すれば、高性能な学習を低コスト・低エネルギーで実行できるかを研究開発します。

学生へのメッセージ

本研究室は平成28年度に発足した新しい研究室で、本郷キャンパス浅野地区の情報基盤センターにあります。情報基盤センターの中山先生、佐藤先生、小川先生、関谷先生と一緒にComputer Network Laboratory (CNL)というグループを構成して、週に一度のミーティングや、懇親会、合宿などを一緒にやっています。また、他大学や研究機関とも連携して研究を進めます。違った研究テーマの学生や研究者との議論は研究の視野を広げるのに役立つことと思います。

図1:データの流れに着目した計算機システム
図2:ネットワークコネクションの動的提供
図3:人工知能とクラウド