池田 誠/IKEDA Makoto

池田 誠 教授

【研究分野】
半導体システム分野
【研究領域】
システムLSI、イメージセンサとハードウエアセキュリティ
【研究室URL】
http://silicon.u-tokyo.ac.jp

研究内容

どうして、飛行機中の離着陸中にはすべての電子機器の電源を切らなくてはいけないのでしょう?どうして携帯の電波は心臓ペースメーカーや医療機器に影響を与えてしまうのでしょう?皆さんは身の回りにどれだけの電子機器を持っていますか?それらにどれだけ頼っていますか?それらが機能しなかったとしたらどうなるでしょうか?私たちの研究はこのような電子機器の抱える問題点に対してLSI設計の立場における解決策の検討を行うものです。

LSIは1年半で性能が倍増し、すでに数億~数十億トランジスタが数GHzの速度で動作することが可能になっています。これは一昔前のスーパーコンピュータを凌駕する性能を1つのチップで実現することに相当します。また、LSI中のシリコンデバイスは、最小寸法がすでに32nmのものが実用化され、研究段階では10nm以下のトランジスタが実現されています。現在のIT社会において、LSIの果たすべき役割は、安心安全信頼性よく動作するための、環境に適応するディペンダブルシステムのとしての機能、および各種のセンサーに代表されるリアルワールドとITのつかさどるサーバーワールドのインターフェースとしての機能であり、当研究室はそれらのテーマそのもの、およびLSIの設計を大きく効率化する論理・回路・レイアウトの自動設計、LSIを構成するトランジスタや配線の精緻なモデル化とシミュレーション手法を研究テーマとしています。

LSI中の個々のトランジスタはその動作に際して微小な電流の変化を引き起こします。多数のトランジスタが集積されるVLSIにおいては、トランジスタの同時動作により大きな電流の変化を引き起こし、配線中の抵抗成分、誘導成分により電圧の変動、さらには電磁界の放射を引き起こします。また、逆に周囲の強力な電磁界の変化によってトランジスタの微小な電流・電圧値が変動してしまい誤動作することもあります。将来の「信頼できる情報機器」を目指し、種々の環境の変化に応じて適応するシステムを目指して、アーキテクチャ、回路、デバイスの側面から検討を行います。「壊れないシステム」、「壊れても自動的に故障を復旧するシステム」を実現することが私たちの目標です。

また、三次元形状・画像の実時間での取得は、車載衝突防止装置などへの実用をはじめ、ロボット制御や3次元テレビコンテンツ作成において今後大きな発展が見込まれています。この三次元画像取得の高速・高フレームレート化・高解像度化はイメージセンサーや外部の3次元計算に要するシステムの大幅な性能向上が求められます。ここでは、これらの計算をイメージセンサー面上で行うことで、通常のCMOS/CCDイメージセンサーでは実現が困難な高速・高解像度な三次元形状を実時間にて取得するイメージセンサーシステムの構築を目指しています。

学生へのメッセージ

私たちは、これからの先端LSIを用いた、信頼できるシステム作りを目指しています。研究室では、学生が実際に先端のLSIを設計しそれらを測定することで、先端LSIを用いたさまざまな基盤技術の研究に取り組みます。各種のCADを使いこなし、最先端の技術情報に触れ、最先端のロジックテスターや電子線プローバ、各種測定装置などを使いこなして、皆さんのアイデアを具現化する研究に取り組んでみませんか。

図1:環境、目標計算速度に動作速度が追従するマイクロプロセッサ
図2:自律的に動作速度制御を行うFPGA
図3:高性能三次元形状取得システム
図4:高性能三次元形状取得システム