藤本 博志/FUJIMOTO Hiroshi

藤本 博志 准教授

【研究分野】
システム制御・宇宙分野
【研究領域】
制御工学、ナノスケールサーボ、電気自動車制御
【研究室URL】
http://hflab.k.u-tokyo.ac.jp/index_ja.html

研究内容

本研究室では新しい制御理論の開発と、それを実際の装置に適用する研究を進めます。具体的な研究テーマ例は以下。

1.AFM とステージのナノスケールサーボ制御

原子間力顕微鏡(AFM)とはナノスケールの針とフィードバック技術により物体表面を測定する装置ですが、その高速高精度化の研究を行っています。従来数分間かかっていた測定を数10 倍高速化する理論を開発し、数年前に製品適用され、社会に大きく貢献しています。現在は、表面形状と粘弾性特性の同時測定という新分野を開拓し、将来は原子レベルの制御の夢を開きます。医療や材料分野へのナノスケールサーボ技術の貢献は、本研究室から始まります。さらに、史上最も精密な機械と呼ばれる露光装置(ステッパ・スキャナ)の制御に革命をもたらすべく、産業界に先駆け世界初の可変構造型多自由度ナノステージを製作し、その制御系の研究開発を行っています。

2.電気自動車(EV)の運動制御

近年、環境・エネルギー問題の対策としてプラグインハイブリッド車や電気自動車が注目されていますが、我々の視点はその先の「制御技術」にあります。モータの制御応答はエンジンよりも100 倍程度速いことから、高速なフィードバック制御をかけることができ、例えば雪道のような低μ路でも安全に走行する自動車を作る事ができます。究極的な制御性能を追求するために、4輪にインホイールモータや横力センサ、アクティブ4 輪操舵システムを搭載した世界で唯一の電気自動車を国の支援を受けて開発し、その成果は多くのメディアで報道されるなど、注目を集めています。最近は、最適な制駆動力配分・操舵制御や回生ブレーキ制御による航続距離延長制御システム(RECS)の研究開発に注力。研究室専用のガレージや試験場といった恵まれた環境で、安全でエコな次世代の電気自動車の研究を一緒に取り組みませんか? 自動車メーカとの共同研究によるテストコースでの制御実験もあり。今後は、EV ならではの革新的な衝突回避や自動運転システムの研究に取り組みます。さらに世界初のワイヤレスインホイールモータの開発を行います。

3.宇宙機・電気飛行機の制御

JAXA(相模原)と共同研究で、月惑星着陸機のアクティブ着陸脚制御の研究を行っています。従来のパッシブ機構では着陸不可能な急斜面などへの着陸を目的としており、将来の実機搭載を目指しています。また最近、JAXA(調布)と共同研究で、電気飛行機の制御の研究を開始しました。来年度には試作機の試験飛行を行う予定です。また、本研究室単独での電動スカイカ―の開発に着手する予定です。

4.制御理論の研究

新しいディジタル制御方式であるマルチレート制御とその応用分野では世界をリード。限られた量子化ビットにおいて最大の制御性能を引き出す理論や、複数のセンサを有機的に組み合わせる新しい振動抑制制御理論など、新しい分野に挑戦します。武器は頭脳(アイディア)と紙と鉛筆。制御系CAD(Matlab)も駆使し、最終的には実験検討まで手掛けます。若い学生の柔軟な発想が世界的に注目されることもあり、国際会議での学生受賞も多数。

学生へのメッセージ

・本研究室は堀研究室と一体運営をしていて、大所帯での楽しい活動と多くのスタッフによる小グループでの細やかな指導を両立させています。 ・当然ですが、研究室は学生のためにあります。学生が主役の元気の良い研究室にしたいと思っています。研究の楽しさを教え、やる気のある学生をどんどんサポートします。詳細はhttp://hflab.k.u-tokyo.ac.jp/ を参照。見学希望も大歓迎。
・研究立ち上げ時期は週に数回の勉強会を実施し、それ以降は毎週の個別打ち合わせと研究室発表会で議論を進めます。修士学生以上は、殆ど全員が国際会議で発表をしています。電機系企業や自動車メーカ、国内外の他大学との交流も多々あり。共同研究で、国内企業や海外大学に数週間滞在して実験する機会もあり。普通では絶対に見られないトップ企業や海外大学の最先端研究現場での共同研究の経験は、学生を一流の研究者に成長させます。
・研究テーマとしては上記以外にも、NC 工作機械のサーボ、マルチレートPWM という研究室独自の方式によるインバータとPM モータの高性能制御、ロボットやヘリコプタのビジュアルサーボ、ヒューマノイドロボットの制御など、制御関連であれば何でもやります。キーは「豊富になった計算機パワーをいかに有効利用し高い制御性能を得るか?」という命題にあり。プログラムだけの研究ではなく実際にものを動かしたいという意欲的な方、充実した研究生活を楽しみたい方、来たれ!

図1:AFM(上)と多自由度ナノスケールサーボステージ(下)
図2:可変駆動方式型電気自動車(上)と電気飛行機(下)
図3:堀・藤本研のイベント活動