相田 仁/AIDA Hitoshi

相田 仁 教授

【研究分野】
ユビキタス情報環境分野
【研究領域】
ネットワーク・分散処理
【研究室URL】
http://www.aida.t.u-tokyo.ac.jp/

研究内容

■ 研究テーマと研究ポリシー

相田研究室では、コンピュータやマルチメディア端末を有機的に結合して、高度情報システムを実現するための、ネットワークアーキテクチャやアプリケーションについて研究を行っています。通信システムやコンピュータのハードウェア・ソフトウェアに関する幅広い知識をもとに、人類の進歩に貢献する意欲のある学生に期待しています。
ここでは、現在行っている主な研究内容を紹介していますが、関連する分野であれば、具体的な研究テーマは特に限定しません。ぜひ皆さん自ら新しいテーマを見いだして、それにチャレンジしてください。

無線センサネットワークにおける通信プロトコル

無線センサノードは、乾電池や太陽電池などを使い、単独で動作させます。ノードの消費電力を抑えることで、「無線センサネットワーク」は、通信プロトコルの効率化を行うことができます。本研究ではゲーム理論に基づいて二つの観点から低消費電力の通信技術の実現を検討しています。

1.協調クラスタリング手法:
各センサノードは協同作業を行うことで、システム全体の通信コストを削減します。
2.マルチホップ通信方式:
システムの信頼性とデータ収集を考慮し、ネットワーク全体に効率的な通信方式を検討しています。

複数経路インターネット通信

現在のインターネットは品質・信頼性に関する保証がなく、今後、遠隔医療や電子政府のような信頼性を必要とするアプリケーションにインターネットを活用していくためには、品質・信頼性の向上を図る必要があります。そこで当研究室では、インターネット上で複数の通信経路を同時に用いて通信を行うことで、通信の品質や信頼性を向上させる研究を行っており、特に通信経路に無線リンクが含まれる場合に、大きな効果が得られるものと期待しています。

無線LANを用いた位置推定

ナビゲーションなどのために自分の位置を推定するための手段としては、GPSが広く用いられていますが、GPSでは衛星からの電波を受信する必要があるため屋内では用いることができません。そこで、近年無線LANを位置測定に用いる方式が注目されていますが、従来の方式では周囲の環境やアクセスポイント移設の影響を受けやすく、測定精度が十分とは言えませんでした。そこで本研究では事前に収集された測定データを適切にクラスタリングしてモデル化し、最尤推定により位置を推定することにより、屋内外で誤差3m程度と、GPSより良い精度を得ることを目指しています。

異種端末環境に適応したP2Pビデオストリーミング方式

インターネット上でのライブストリーミングサービスが普及しつつある状況ですが、それらの問題点として、
・動画品質などに関するユーザからの要求に対して柔軟に応えられない
・サーバにかかるアクセス処理負荷、ネットワーク回線負荷が大きい
ことが挙げられます。
本研究では、この問題に対応するためのネットワークアーキテクチャとして、オーバレイマルチキャストにおいて、それぞれの端末が受信したデータを転送先に合わせて変換を行う(トランスコーディング)方式を提案しています。

高速鉄道におけるブロードバンド通信

2009年3月より、東海道新幹線の乗車中にインターネットを利用することのできるサービスが開始されましたが、帯域が下り2Mbpsしかなく、十分とは言えません。そこで浅見研究室と共同で、無線LAN技術を用いてより高速な通信を実現する技術について研究を行っています。

学生へのメッセージ

以前のように、東京大学を卒業している(というより東京大学の入学試験に合格した)というだけで、会社の中で高く評価してもらうことができた、という時代はもう過去のものとなっています。大学にいる間に何をしたか、自分をどのように磨いたかで、その後の人生に大きな差が生じます。ぜひ大学にいる間に意欲を持って、新しいことにチャレンジしてください。

図1:クラスタ構成のセンサネットワーク
図2:複数経路インターネット通信
図3:最尤法による位置推定
図4:トランスコードを伴うP2Pビデオストリーミング
図5:アクセスポイントに送信するデータのスケジューリング