電気系工学専攻長挨拶

専攻長挨拶

未来を創る


現在,新型コロナウィルスのCOVID-19の感染拡大が社会・経済・産業に多大な影響を与えています.このような事態において,技術で貢献できることは数多くあります.オンライン講義,テレワーク,遠隔医療・診断,オープンデータなどをはじめてとして,電気系工学専攻の電気・電子・情報通信技術の出番です.われわれが技術でもってこれからの社会や経済を牽引していかなければなりません.

そもそも,電気・電子・情報技術は,この100年の間,産業の隆興を通じて社会に大きな貢献するとともに,文化の伝承や創造にも大きく貢献してきました.しかしながら,今までの100年間は電気・電子・情報革命の助走期ともいえるフェーズです.真の意味での革命はこれからの100年で生じます.われわれの電気系工学専攻が真価を発揮する飛躍期はこれからであり,社会のすみずみに電気・電子・情報技術が浸透していくお手伝いをしていかなければなりません.

われわれの専攻が対象とする分野はすべての産業分野にまたがり,身近なところにも電気・電子・情報技術が有効となるフィールドは多数存在します.われわれが果たすべき役割はますます大きくなります.固定概念にとらわれず,かつ顧客に寄り添いながら課題を見出し、他の分野のパートナーとの連携などを通じて価値を創出していきながら,社会,産業,生活,地方の変革に少しでも寄与できるよう,私たちが新たな歴史を刻んでいきましょう.

17世紀のペストの感染拡大で英ケンブリッジ大学が閉鎖されたときに,アイザック・ニュートンの「三大業績」とされるものが成し遂げられました.故郷に戻らざるを得なくなったアイザック・ニュートンは,故郷で落ち着いてじっくりと思索にふけっているうちに,万有引力の法則,微分積分や光学の考え方を編み出しました.

災い転じて福となすという言葉があるように今回の事態を貴重な機会と捉え,一緒に未来を創り上げていくことができればと考えています.

2020年5月 東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻長 森川 博之