岡田 至崇/OKADA Yoshitaka

岡田 至崇 教授

【研究分野】
環境・エネルギー分野
【研究領域】
新エネルギー、太陽光発電工学
【研究室URL】
http://mbe.rcast.u-tokyo.ac.jp/

研究内容

2050年までに全世界の二酸化炭素排出量を半減する目標~Cool Earth 50~が策定され、クリーンな再生可能エネルギーとして高効率太陽電池の革新的な研究開発が必要とされています。
本研究室では、新しい半導体材料や、量子ナノ構造を導入して太陽電池のエネルギー変換効率を画期的に高めるための研究を行い、新エネルギー技術のイノベーション創成を目指しています。

次世代太陽電池の研究

当研究室は、III-V族化合物半導体の分子線エピタキシー成長装置、フォトリソグラフィー、各種金属・誘電体成膜装置などのプロセス装置や、多接合や集光型太陽電池の特性評価装置、超短パルスレーザー、フォトリフレクタンスなどの測定評価装置、またシミュレーション用の高性能計算機などを有しており、結晶成長からデバイス作製と評価までの実験的アプローチだけでなく、数値計算、デバイスシミュレーションなど理論的研究も行い、次世代太陽電池の開発に取り組んでいます。

(1) 多接合太陽電池
太陽電池を多接合構造にすることで、幅広い太陽光スペクトルを吸収し、変換効率を高めることが可能となります。現在、III-V族系化合物半導体のInGaP/GaAs/Geを用いた3接合太陽電池が実用化されていますが、研究段階で4接合セルを用いて45%を超える効率が達成されています。本研究室では、コスト面での要求に応えうる高効率4接合太陽電池に必要な、GeやGaAs基板と格子整合し、かつ1eV帯付近のバンドギャップエネルギーをもつ材料として、1~2%の窒素を添加したGaInNAs希釈窒化物半導体の結晶成長法と太陽電池作製に向けた研究を行っています。

(2) 量子ドット太陽電池
現在のシリコン太陽電池の変換効率を上回り、かつ現在の電力料金レベルまで低コスト化が展望できるような革新型太陽電池の技術開発が世界の主要研究機関で加速しています。ナノメートルのサイズの量子ドットを3次元的に配列させた超格子構造では、量子ドット間の電子的結合が起こり、バンドギャップの中央にミニバンド(中間バンド)が形成されます。中間バンド間の光学遷移を利用して、特に2個の光子を段階的に吸収させて電流として取り出す方法を確立することにより、変換効率50%以上の太陽電池が実現できる可能性があります。本研究室では、このような量子ドット超格子を利用した太陽電池の作製と光電変換メカニズムの基礎物性に関する研究を進めています。

(3) 集光型太陽電池
レンズやミラーにより大陽光を小面積の太陽電池に集光させる集光型太陽電池は、コスト低減に有用で、さらに変換効率も向上することから、次世代太陽電池の実用展開に不可欠な技術であると考えられています。太陽電池の集光下での振る舞いを評価するだけでなく、集光動作に適したセルの開発やモジュール試作評価なども行っています。

学生へのメッセージ

見学、質問は遠慮なくご連絡下さい。
TEL. 03-5452-6501
(駒場Ⅱキャンパス、先端科学技術研究センター)

図1:4 接合タンデム太陽電池の構造図と各サブセルが吸収する太陽光スペクトルの帯域
図2:積層させた量子ドットの断面写真(左):黒く見える部分がInAs 量子ドット、及び高密度に量子ドットを形成させた表面の原子間力顕微鏡像(右)
図3:量子ドット太陽電池の構造模式図
図4:集光型量子ドット太陽電池モジュール