中野 義昭/NAKANO Yoshiaki

中野 義昭 教授

【研究分野】
ナノ物理・デバイス分野
【研究領域】
光電子デバイス、集積フォトニクス
【研究室URL】
http://www.ee.t.u-tokyo.ac.jp/~nakano/lab/index.html

研究内容

21世紀の光情報通信ネットワーク、光情報処理・記録に向けて、化合物半導体をベースにした新しい高性能な半導体レーザや半導体光制御デバイス(光スイッチ、波長変換器、光アンプなど)と、これらのデバイスを集積化して構成される高機能な半導体集積光デバイス・光集積回路を研究しています。またエネルギー問題の解決に向けて、化合物半導体に基づく新しい高効率な太陽電池の開発と、それを用いた再生可能燃料生成/CO2還元の研究を行っています(2010年にスタートした総長直轄「太陽光を機軸とした持続可能グローバルエネルギーシステム」総括寄付講座の中核研究室です)。これらデバイスを作製するための、InP、GaAs基板上のInGaAsP, InGaAlAs混晶などによる量子マイクロへテロ構造と、GaN、AlN、InN等のIII族窒化物量子マイクロヘテロ構造の結晶成長や加工技術も、研究対象です。

研究室の特徴

それは、半導体レーザ、太陽電池や集積光デバイスを、一から実際に作ることです。もちろん、素子の完成度や製造コストで企業と競争することは意味がありません。しかし、実際に作製されたデバイスと向き合って、丹念に特性を調べてみると、コンピュータ上にモデル化されたいわばヴァーチャルなデバイスとは随分異なっていることがわかります。見落としていた問題、意外な結果、不思議な現象が必ず現れてくるのです。これらは、次の研究課題を与えてくれますし、画期的な新デバイスを発明する種ともなるのです。リアルなデバイスとの対話は、われわれにとって最も重要な研究過程と言えます。

研究室の構成

杉山正和准教授、種村拓夫准教授と共同運営しており、ポスドク/研究生、博士課程・修士課程院生、学部卒論生および教職員(教授、准教授、講師、助教、秘書)合わせて例年約40名の体制になります。太陽電池に関しては、岡田至崇教授研究室とも連携しています。

研究の形態

当研究室における研究の典型的な流れは、次の通りです:(1)基礎理論の構築、(2)デバイスのモデル化、(3)動作特性の計算機シミュレーション、(4)デバイスの計算機支援設計(CAD)、(5)試作プロセス技術の開発、(6)デバイスの試作、(7)試作デバイスの静特性、超高速動作特性、雑音特性の測定評価。

研究テーマ例

具体的な研究テーマの例として、次のようなものが挙げられます:・量子構造高効率多接合太陽電池、・GaN/AlN量子井戸サブバンド間遷移超高速光スイッチ、・半導体光アイソレータ、・半導体光アンプ(SOA)に基づく全光スイッチ集積回路、・全光フリップフロップ、・デジタル光集積回路、・半導体アレイ導波路格子(AWG)光集積回路、など。

研究ツール

  • 基礎理論: フォトン系を記述する電磁波工学、波動光学、量子光学。電子系を記述する量子統計力学など。
  • 解析・設計: ワークステーション、PC上の各種CAD。
  • 試作: 有機金属気相エピタキシ(MOVPE)+その場同時観察装置、光集積回路用超精密電子線描画装置、誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP RIE)、レーザマイクロマシーニング装置、フォトリソグラフィー設備、クリーンルームなど。
  • 評価: 電子顕微鏡、4結晶X線回折装置、顕微フォトルミ装置、波長可変レーザ、50GHzオシロ、40GHzネットワークアナライザ、光シグナルアナライザ、光スペクトラムアナライザ、ストリークカメラなど。

学生へのメッセージ

見学、相談、質問はお気軽にどうぞ。中野義昭(03-5841-6652)

図1:試作デバイスの実例1:全光フリップフロップ・光アンプ・全光ゲート集積回路のチップ写真
図2:試作デバイスの実例2:世界最大級の集積規模を持つInP光マトリクススイッチ集積回路チップ
図3:次世代超高効率太陽電池のフィールド実証試験イメージ
図4:当研究室の主力設備である有機金属気相エピタキシャル成長装置